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Paul Smith

イギリスのファッションデザイナー、Paul Smith。自身の名を冠したブランドの創業者でもあり、その代名詞といえるマルチカラーのストライプと、「classic with a twist(ひねりのあるクラシック)」というコンセプトに集約される独自のスタイルで知られています。

ノッティンガムに3メートル四方の小さなショップをオープンした駆け出し時代から(ノッティンガムはPaul Smithが1946年に生まれた街)、国際的な成功を収めるまで、Paul Smithはデザインに対する直感的なアプローチを活かし、才能豊かなクリエイターとしてその名を築いてきました。2013年にロンドンのデザイン・ミュージアムがPaul Smith展を開催すると、111,000人の来場者を集め、のちにヨーロッパとアジアで巡回展も行われました。

現在Paul Smithは世界60か国以上に130店舗を展開。それぞれの店舗が独自のコンセプトを打ち出しながら、洋服のみならず、デザイナー兼アントレプレナーとしてのPaul Smithが自ら選りすぐった家具やアート作品、さまざまなオブジェを散りばめた空間を作り上げている点が共通しています。ロサンゼルスの店舗はメキシコ人建築家Luis Barragánの自宅にヒントを得た鮮やかなピンクのボックス型建造物で、現在はランドマークになっています。

さまざまな建築家やデザイナーがPaul Smithにとって常にインスピレーションの源泉になっていますが、これに日々の暮らしを細部まで見つめる彼の観察眼が加わり、衣服に写真プリントを導入するなど、ファッション界で革新的なアイデアを発展させています。

しかし、デザインの題材に対しては、賞賛するだけにとどまりません。飽くことを知らない好奇心と機能美への嗜好から、Paul SmithはこれまでMINI、Leica、Anglepoise、Carl Hansen & Søn、Gufram、Caran d’Ache、Pinarelloなど多数の著名ブランドに、自身の創作を通じて協力しています。また、雑誌「Domus 」にはコラムも書いています。

2000年にはエリザベス女王からナイトの称号を授与され、2022年にはウィリアム王子から「コンパニオン・オブ・オナー勲章」が授与されました。ブランドの50周年にあたる2020年には、自分の経験を若手クリエイターに継承することを目的として、Paul Smith財団を立ち上げました。

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